古いスマホを初期化する前に、認証アプリを確認した?

問題:スマホを機種変更することになりました。古いスマホに認証アプリが入っています。最初にすることはどれでしょうか。

  1. 新しいスマホを受け取ったら、古いスマホをすぐ初期化する
  2. 使っているサービスと復旧方法を確認し、新しいスマホでログインできるまで古いスマホを残す
  3. 認証コードやQRコードを、家族やサポート担当者へ送って移行を手伝ってもらう

答えは B です。認証アプリの移行方法は、アプリやサービスによって異なります。新しいスマホで確認コードを使えることを確かめるまで、古いスマホを初期化しません。認証コードや移行用QRコードは、誰にも送らないでください。

認証アプリは、短時間だけ使える確認コードを作る

認証アプリは、ログイン時に追加で入力する確認コードを作るアプリです。パスワードだけでなく、手元のスマホに表示されたコードも必要にすることで、アカウントを守りやすくします。

この記事では、認証アプリに表示される一時的な確認コードを中心に説明します。認証アプリには、通知を承認する方式やパスワードレスなど別の方式もあり、移行方法はサービスとアカウントの種類によって異なります。

表示されるコードは、一定時間がたつと変わります。この記事では、このコードを「確認コード」と呼びます。SMSで届く番号とは別の仕組みですが、どちらもログイン時の追加確認に使われることがあります。

機種変更で認証アプリの登録情報が新しいスマホへ移らないと、パスワードが合っていてもログインできないことがあります。そのため、機種変更は「データを移す作業」だけでなく、「ログインできるかを試す作業」まで行います。

機種変更前に、使っているサービスを洗い出す

  1. 認証アプリに登録されているサービス名を確認する。
  2. それぞれのサービスで、別の端末からログインできるかを確認する。
  3. バックアップコード、パスキー、セキュリティキー、登録済みの別端末など、別の復旧方法があるか確認する。
  4. 仕事用・学校用アカウントは、管理者の案内が必要か確認する。
  5. 古いスマホを充電し、通信できる状態で保管する。

サービス名を確認するときは、認証アプリに表示された名前だけでなく、実際の公式サイトや公式アプリのアカウント設定も確認します。身に覚えのない登録があれば、コードを試す前にパスワード変更と公式サポートへの相談を検討します。

バックアップコードも、認証コードやパスワードと同じように秘密として扱います。他人に送らず、SNS・メール・共有端末や共有クラウドに置きません。サービスが案内する安全な場所に保管し、使用済みのコードは再利用しません。

「バックアップ」と「移行」は同じではない

バックアップは、設定や登録情報を復元できるように保存することです。移行は、実際に新しいスマホで認証コードを使える状態にすることです。バックアップが完了した表示だけで、すべてのサービスにログインできるとは限りません。

確認すること

確認できた状態

登録サービスの一覧

どのアカウントを移す必要があるか分かっている

復旧方法

バックアップコードや別のログイン手段を確認している

新しいスマホ

認証アプリを入れ、アカウントを復元または転送している

ログインの試験

実際のサービスで、新しいスマホのコードを使ってログインできる

ログインの試験では、パスワードや確認コードを他人に伝えません。画面共有や遠隔操作を求められても、認証情報を見せないでください。

Google Authenticatorを使っている場合

Google Authenticatorで確認コードをGoogleアカウントに保存する設定を使うと、新しい端末で同じGoogleアカウントにログインしたときにコードを同期できます。Googleアカウントを使わない場合はコードが端末内に保存されるため、手動で移行します。

  1. 古いスマホでGoogle Authenticatorを最新版に更新する。
  2. Googleアカウントで同期する設定を使うか、手動転送を使うか決める。
  3. 手動転送の場合は、古いスマホのアプリからアカウントを書き出し、新しいスマホで読み込む。
  4. 新しいスマホに表示されたコードで、対象サービスへのログインを試す。
  5. すべてのサービスを確認してから、古いスマホを初期化する。

手動転送では、QRコードが画面に表示される場合があります。QRコードには認証情報が含まれることがあるため、スクリーンショットを保存したり、SNSやメールで送ったりしません。周囲に見られない場所で操作します。

Googleの公式案内はGoogle Authenticatorで確認コードを取得するを確認してください。

Microsoft Authenticatorを使っている場合

Microsoft Authenticatorにはバックアップと復元の機能があります。ただし、バックアップと復元は同じ種類の端末間に限られます。iPhoneで作成したバックアップはAndroidへ復元できず、Androidで作成したバックアップもiPhoneへ復元できません。

  1. 古いスマホでバックアップが有効になっているか確認する。
  2. 新しいスマホにMicrosoft Authenticatorを入れ、同じ種類の端末で復元する。
  3. 復元後に、個人アカウントや第三者サービスのコードが表示されるか確認する。
  4. 職場・学校アカウントは、アカウント名のみがバックアップされ、復元後に再サインインが必要になることを確認する。組織の案内に従い、管理者やヘルプデスクへの相談が必要になる場合がある。
  5. 実際にログインできることを確認してから、古いスマホを初期化する。

バックアップの設定場所や復元できる情報は、iPhoneとAndroidで異なります。Microsoftの公式案内で、自分の端末に合う手順を確認します。

詳しくはMicrosoft Authenticatorでアカウントをバックアップするを確認してください。

新しいスマホで移行できたか試す方法

  1. 新しいスマホを手元に置き、認証アプリを開く。
  2. 登録したサービスのうち、緊急性が低く、手順を確認しやすいものを一つ選ぶ。
  3. 公式アプリまたは公式サイトを自分で開き、ログイン画面を表示する。
  4. 新しいスマホに表示された確認コードを入力し、ログインできるか確認する。
  5. 成功したサービス名をメモし、残りのサービスも一つずつ確認する。

ログインできないときは、コードを何度も連続して入力しません。スマホの時刻設定、移行先のアカウント、サービス側の復旧方法を確認します。解決しない場合は、公式サポートの案内を使います。

最初の確認に、銀行や仕事の重要アカウントを使う必要はありません。移行手順を理解してから、重要なアカウントを確認します。ただし、確認のために二段階認証を無効にすることは避けてください。

古いスマホが使えない場合

古いスマホを紛失した、壊れた、初期化してしまったという場合は、認証アプリだけで解決できないことがあります。サービス側に用意された復旧方法を使います。

  1. 別の端末ですでにログインしているセッションがないか確認する。
  2. バックアップコード、パスキー、セキュリティキー、登録済みの電話番号などを確認する。
  3. サービスの公式サイトからアカウント復旧手続きを開始する。
  4. 仕事用・学校用アカウントは、管理者や組織のヘルプデスクへ相談する。
  5. 復旧後は、新しい認証アプリを登録し、古い端末をアカウントから削除する。

「アカウントを復旧するため」と言われても、確認コードやバックアップコードを他人へ送らないでください。バックアップコードは秘密情報として、安全な場所に保管します。公式サイトのアドレスを自分で入力して手続きします。Googleアカウントでスマホをなくした場合の復旧方法は、Googleアカウントの2段階認証で問題が発生した場合も参考になります。

今日できる3つの確認

認証アプリの移行は、バックアップを取って終わりではありません。新しいスマホで実際に確認コードを使い、すべてのサービスを確認してから古いスマホを初期化します。

認証アプリの基本と設定前の確認は「2段階認証とは?|設定前に確認することとログインできないときの備え」、パスワードの復旧準備は「パスワード管理の復旧方法」も参考にしてください。

この記事の確認に使った公式情報